地域猫のこと

殺処分の多くは「のらねこ」と言われる、飼い主のいない猫が生んだ子猫たちです。

私たちの身の回りにいる猫は、野生動物ではなく家猫(いえねこ)という種で、人と暮らして生きる動物です。ですので街角の猫に「かわいそうだから」と、ご飯をあげることは決して悪いことではありません。
ですが、ただ餌をあげるだけでは望まれない不幸な命が生まれてしまいますし、増えすぎた猫たちは地域からも迷惑に思われ、猫嫌いを増やし、街に居にくくさせることにも繋がります。無責任な優しさは、助けたつもりが、かえって猫を不幸にしてしまいます。きちんと不妊手術をしてお世話することで、その猫を一代限りとし、地域の猫として共に暮らす。それが現時点でのベストな共生のあり方として、愛猫家だけではなく、環境省の方針として県や市でも推進しています。その野良猫に不妊手術する活動をTNR(ティー、エヌ、アール)と呼びます。

ひとめで「あの猫には見守っている人がいる」と判るように、耳に三角形の切込みを入れます。耳上部に入れると花びらのように見えることから『桜カット』『桜猫』と呼ばれることも。痛かったと思いますが、この目印があることで繁殖しないこと、見守る人がいることが判りますし、再度捕まって開腹されるリスクがなくなる、猫にとって、とても大切な目印です。
野良猫は不妊手術をするにあたり、捕まえられない、費用はどうしようかとお悩みの方もいらっしゃると思います。まずはぜひお近くの愛護センターや愛護団体に相談してみてください。
県や市には猫の不妊手術用の助成金がある場合も。ただ無責任に目の前の問題がなくなればいいという気持ちではなく、その犬や猫の行く末を案じてのご相談でしたら、きっと良いアドバイスを頂けると思います。

耳カットの位置は側面の場合もあります