cat!cat!cat!2020の会場にはそれぞれ、「猫についてのお話」を展示しておりました。これらは、参加して下さいました店主さまや展示作家さま、みなさまのそれぞれのエピソード。そっと置かせていただいていましたので、読まずに会場を後にされた方も多いと思います。そして遠方のみなさまにもぜひ読んで頂けたらとも。想いの込もった文章。アーカイブとしてひとつずつご紹介させて頂きたいと思います。
お金では買えなかったもの
子供の頃、ペットショップのケージに入って売られている可愛い仔猫達をみて、いじらしく可哀想だと思っていました。買われなかった子達はどうなるんだろう、捨てられてしまうのか、などと考えて、ペットショップで泣きそうになりました。
その頃の夢は獣医になって、お金持ちになって、広い家に住んで、ペットショップの動物を沢山買って、皆で幸せに暮らす事。浅はかな子供心で辿り着いた解決策です。ペットショップにいる動物を買う事が、とても良い事に思えていました。
大人になって実家を出て、初めて、働いたお金で猫を2匹買いました。都会ではそれ以外の選択肢は無いとも思っていました。都会での生活が田舎暮らしよりも長くなる頃、意外にも街中に野良猫が多い事に気づき、そして保護猫、里親になると言う選択肢を知りました。何かできる事はないかと考える様にもなりました。
自宅の愛猫達は人見知りで、やきもち焼きです。その子達の事を考えると、これ以上は自宅では飼えません。ですが私には営んでいる喫茶店があり、私は1日の半分をそこで過ごしています。何が猫にとっての幸せかは分からないけど、環境としては猫を飼えるチャンスがあると気づきました。そんな時、保護猫の里親になるご縁を頂いたのです。
猫を店舗で飼う事は、今の日本の文化からすると、非常識かもしれませんし、運営的な困難との戦いでもあります。正直、お客様よりも猫ファーストで運営している為、お客様層も限られてきます。それでも、猫を優先しています。それが、私が選択した猫との付き合い方だからです。
私に出来る猫愛の実践方法は、まだ試行錯誤の過渡期です。これからもこの子達と、理解してくれる方々と一緒に、猫達が幸せに暮らせる「家」を作って行きたいと思っています。
一概には問えないペットショップの存在の是非。ペットショップで買った猫と、保護猫との暮らしは、私に様々な事を教えてくれます。私に必要だったのは、まずは知る事。そして、大切なのは考える事でした。
迷いながらも確信して言える一つの事。愛猫達は、お金では買えなかった沢山のものをもたらしてくれています。それは何ものにも変えられない、幸福な生活です。
botanicalitem&café CYAN 阿住未姫さん
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Instagram@cafécyan
Botanicalitem&café CYAN
個性的な植物と旅先のような雰囲気に包まれた、カフェ&ギャラリー
open11:00 – 20:00(L.O. 19:00)
定休日/毎週木曜日
仙台市青葉区一番町一丁目 6-22 シャンボール 一番町1階
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